オフサイド


部屋のドアを閉めるなり、迷わずベッドにダイブした。 

はぁ〜。


こんなこと、いくら未遂とはいえ、お母さんに知られるわけにはいかない。 


ううん、お母さんだけじゃない。 


お父さんにだって、大輝にだって。


……もちろん、裕也にも知られるわけにはいかない。 


こんなこと、もし裕也に知れたとしたら……。


「いや、考えたくない!!」


両手で頭を抱え込んだ私は、抑えることのできない涙を静かに流し続けた。



どれくらい泣いただろう。


泣き疲れた私は、そのまま朝まで眠りに就いた。



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