オフサイド


「姉ちゃん、男に困ってるんだったら俺の友達、紹介してやろうか?」


「残念!年下に頼るほど、困ってないわよ」


「そんなこと言うなよ!年下も案外、悪くないぜ!
俺らの間じゃ、姉ちゃん意外と人気あるからな。
まぁ、その顔見たらみんな退くだろうけど」


「何それ、失礼だな!」


中3になった大貴は、1年前よりぐんと背も伸びて、だんだんと男らしくなってきた。


あれほど彼女より背が低いことを気にしていたのに、今では彼女の肩を抱くほどに。


当然、私の背も抜かしている。


「今度、友達連れてくるから会ってみてよ!」


「だから、困ってないって!
それに中学生だよ!中学生なんて、考えられないよ」


高校生の私が、中学生と付き合うなんて考えられないし、考えたこともない。


あり得ないよ、そんなの。


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