オフサイド


「ねぇ、ここでは話しにくいからちょっと移動しようか?」


「――いいの?」


「もちろん!
お弁当はもういいかな?話が終わってからまた食べればいっか!」


そう言いながら、さっさと片付けに入った。


――お母さん、ごめん。
弁当が不味いから残してるんじゃないからね。



教室を出て、二人で向かった先は北校舎裏にあるプレハブの部室棟。


運動部と文化部の二つの棟が向かい合わせに並んでいる。


「あそこでいいかな?」


賑やかな運動部の部室棟とは対照的に、人気のない文化部の階段の踊り場に腰を下ろした。



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