オフサイド


「……ごめんね」


「ん?」


ストローを口に咥えたまま、隣に座る薫を見ると、大好きなイチゴ・オレを両手で握り締めたままだ。


「温くなっちゃうよ!とりあえず、飲もう!」


私は努めて明るく言った。

だって、こんなに元気のない薫を見るなんて、初めてのことだから。


田口くんとの間で、何かあったのは間違いない。


「……聞いてくれる?」


コクンと頷くと、堰を切ったように薫は話し始めた。


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