オフサイド
第1章*二人きりの旅
どこからか聞こえる楽しげな『ジングルベル』の音楽。
街はクリスマス一色に彩られ、華やいだ雰囲気に包まれている。
仲良く手を繋ぐカップルや親子連れとすれ違いながらひとり目的地を目指す私。
今日は、12月25日。
気持ちもウキウキして、ケーキでも食べて盛り上がりたいところだけど、それどころじゃない!
私にとって今日という日は、一世一代の大切な日。
私の“運命”がかかっているんだから――…。
はあーっと、手に暖かい息を吹き掛け、寒さをものともせず歩き続けた。