オフサイド


――そんなある日のこと。 

窓側に設置されたストーブの前でみんなでお喋りをしていたら、急にガラッと教室のドアが開いた。 


入ってきたのは、担任の木村先生。 


チラッと壁に掛けられた時計を見ると、授業までまだ時間がある。


「おーい、おまえら一旦、自分の席に着け!」


「えー、なんで?」


「まだ休み時間じゃん」


「先生、来るの早いよー」

あちこちからブーイングが飛ぶ。


それでも先生は顔色を変えず、教卓の前でパンパンと手を二回叩いて、もう一度言った。


「大事な話があるんだ」



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