オフサイド
昨日は、全然眠れなかった。
裕也のことを考えていたら眠気なんておきなくて。
なかなか眠れない私は、ベッドから起き上がり、不意にぶ厚いカーテンを開けてみた。
遠くに聞こえる犬の鳴き声。
真冬の空に輝く、満天の星と月。
冬独特の張り詰めた空気に自分の気持ちも重なって、居ても立ってもいられない。
考えるより早く、ベッドの横にあるスタンドに手を伸ばし、明かりを灯した。
その明かりを頼りに、押し入れから段ボール箱を引っ張り出すと、ビリビリっと上からガムテープを剥がしていった。
古いノートや教科書を退けて、奥の方から目当てのものを取り出した。
数冊のアルバムを胸に抱え、再びベッドまで運ぶと、ドスンと腰を下ろした。