オフサイド
教室中が拍手や歓声で渦巻く中、一人ぼんやりと先生の話をリピートしていた。
……裕也が合格?
……よかった。本当によかった。
教卓の横に置かれた裕也の机に目を走らせると、ふと彼の背中を思い出した。
『10』の青いユニフォームを身に纏った裕也。
縦横無尽にピッチを走り回る裕也。
夢への第一歩を踏み出したんだね。
これでおもいっきりサッカーに打ち込めるね。
自分のことのように嬉しいよ。
裕也……本当におめでとう!!
じわじわと合格の喜びが湧いてきて、今すぐ裕也に会いたくなった。