オフサイド


いつのまに来たのだろう。

隣の席には由香里が座っていた。


「菜摘、よかったね!」

肩をポンと叩いて、一緒に喜んでくれた。


うんうん、と何度も頷いた。


そんな私の頭を「よしよし」と言いながら撫でてくれた由香里。


零れ落ちそうになる涙を必死で堪えた、立春の午後のことだった――。




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