オフサイド
東高のサッカー部は、私からしたら遊びの延長のようにしか思えてならなかった。
勉強の合間の息抜きのような。
彼らの練習に取り組む様子を眺めていると、裕也のような真剣さがあまり感じられない。
楽しんでサッカーをやっていることには、変わりないのだろうけど。
「菜摘、早くー!時間ないよ!」
「あっ…!ちょっと待って!」
薫の声に慌てて振り返り、昇降口で靴に履き変えると、すぐさま前を行く薫を追った。