オフサイド


ますます、謎に包まれた。 


その先を聞こうと思ったけど、ちょうど東高と西高の分かれ道まで来ていた。


学生の溜まり場である『やまもと商店』を境に、東高と西高とは位置している。


下校時、この店には、両高の学生が入り乱れる。 



文房具の他、駄菓子や学校指定のジャージまで何でも扱うこの店は、腰の曲がったおばあちゃんが一人で切り盛りしている。



「じゃ、またな!」


「あっ、はい…また」



片手を挙げ、去りゆく榊くんの姿を見送っていると、いきなり背中をバシッと叩かれた。 



―――…!!





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