オフサイド
だらけた雰囲気は、教室中に蔓延していて、皆、『心ここにあらず』だった。
プリントを一通り終えた私は、うちわを扇ぐ手を休め、窓から空を眺めた。
澄み渡る青空。
所々に広がる飛行機雲。
気持ちのよいほどに、夏の青空が広がっている。
去年の今頃――…
裕也と一緒に海辺で見たあの空にどことなく似ていた。
あの日、裕也にはっきりと告げられた。
――九州へ行くことを。そして、私への気持ちを。
裕也……元気にしているかな。
厳しいと言われる練習には、ついていけてるのかな。
入学して間もなく、裕也からの連絡は、手紙はもちろん、電話もパタリと閉ざされていた。