オフサイド




―――…!! 



「いてっ!」


頭に何かが当たった。


机の上には、紙飛行機が落ちている。


辺りを見渡すと、隣の列に座る薫が、こちらを見て笑っている。 


『何すんのよー!!』


口パクで抗議する私に、指を差す薫。 


『何?』


また口パクで聞くと、どうやら紙飛行機を指差しているようだった。


『これ?』


頷く薫に従い、紙飛行機を広げてみると、丸みを帯びた薫の可愛らしい文字が並んでいた。 



< 84 / 362 >

この作品をシェア

pagetop