オフサイド


「あっ!来た来た!!」


瞳にハートマークを浮かべたような、嬉しそうな顔をした薫が指差す方向を振り向く。 


今日も男子数名と歩いている。 


やっぱり、女嫌いなのかな……? 


薫の後を追い、榊くんたちのいる方向に歩み寄った。 


「今、帰りですかー?」


黙って頷く榊くん。 


チラッとこちらを見る。 

「こんにちは!」


軽く挨拶すると、いつものように首を傾げ、答える榊くん。 



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