オフサイド
「ねぇねぇ、二人とも今から時間ある?」
「時間?」
薫と二人で顔を見合わせる。
“どうする?”とアウンの呼吸で返事を考える。
この人は、確か……えーと、誰だっけ?
大概、榊くんと一緒にいることが多くて、こうして何度か顔を合わせているのだけど、名前が思い出せない。
確か、薫と同じ反対方向の上り電車で帰る人だ。
背はそれほど高くないのだけど、オシャレには気を遣っていると見られる。
動きのあるライトブラウンの髪の毛に、ワイシャツからチラッと覗かせるシルバーのアクセサリー。
ズボンのポケットからはみ出た携帯やキーリングが、いつもジャラジャラと音を立てている。
少し軽い印象はあるけど、人懐っこい笑顔と話し方が彼への警戒心を弱める。
「時間?」
薫と二人で顔を見合わせる。
“どうする?”とアウンの呼吸で返事を考える。
この人は、確か……えーと、誰だっけ?
大概、榊くんと一緒にいることが多くて、こうして何度か顔を合わせているのだけど、名前が思い出せない。
確か、薫と同じ反対方向の上り電車で帰る人だ。
背はそれほど高くないのだけど、オシャレには気を遣っていると見られる。
動きのあるライトブラウンの髪の毛に、ワイシャツからチラッと覗かせるシルバーのアクセサリー。
ズボンのポケットからはみ出た携帯やキーリングが、いつもジャラジャラと音を立てている。
少し軽い印象はあるけど、人懐っこい笑顔と話し方が彼への警戒心を弱める。