太陽が見てるから
一章:夏恋

補欠エース

あの日、県立球場で、
おれは野球に出逢った運命に感動した。




小さな田舎町の県立球場に、
歓声がわいた。


雲ひとつない青空が
どこまでも広がっていた。





2006年の猛暑日、
憧れの先輩が甲子園行きの切符を手にした。



おれはうれし涙の味を知った。




青春なんていまだによくわからなかったが、
きっと、この涙が青春の味なのだろう。




しかし、その先にあった甲子園。






兵庫県の球場には本当に魔物が棲んでいた。



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