Bizarre Witch～猟奇的な魔女～
「それじゃあ、もしそうなったとして、アメリアさんはどうするんですか？」


「どうするって、何がどうするのよ？」


「そりゃ、今は俺以外の人間にはアメリアさんの姿が見えていないようですけど、肉体を持つことになるってことは、他の人間にも姿を見られるってことでしょ？」


「そうよ。だからそれがどうしたのよ？」


アメリアは、腕を組み、なかなか話の筋が掴めない様でいる。


「そしたら、家には居れなくなるじゃないですか？」


俺がそう言った途端、アメリアはようやく納得したように軽く唸って言った。


「どうしてよ？もちろん、ここに居候って形を取らせてもらうことになるわ。それに何か問題でもあるの？」


アメリアは不敵な笑みを浮かべ、目を微かに細め、俺を見つめてくる。


確信犯だ。俺が困ることを知っておいて……。


「問題大有りですよ。どうやって家族に説明するんですか？この人が僕の彼女です。彼女は家が無くて困ってるから家に居候させてやってくれ、とでも説明するんですか？」


と一気にまくし立てる。


「うん、なかなかじゃない？半分はウソだったけど、もう半分は事実なわけだし」


冗談で言ったつもりが本気に取られてしまった。


どうすんだ？俺？


俺が更なる反論を考えている時だった。


「そう言えばあなた、今日どこかに出かけるんでしょう？」


なんだよ、また唐突に。


「予備校に行くんですよ。今日が通常授業最終日で」


俺は余計な情報も加えて言った。
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