初恋
聖美の家を訪ねると、彼女に似た女の子が出た。
「―どちら様ですか?」
「あ、僕、同じ学校の宮本って言いますが、聖美さんはいますか?」
「―あ、はい…」
すると、母親らしき女性が出てきた。
「何か用ですか?」
「あ、聖美さんは?」
「聖美は会いません。私が変わりに聞きます」
「彼女に会いたいんです。会わせてくれませんか」
「駄目です」
「聖美さんがそう言っているのですか」
「…用がないのなら帰って」
彼女は全く取り合ってくれなかった。