初恋

「はい」

「あ、宮本!良かった。今日早く出れない?1人休みだって。他の奴らつながんなくて」

「分かりました」

時計を見ると既に13時だった。
もう出なければならない。

急いでシャワーを浴びて、頭痛薬を飲んだ。

「え、もうこんな時間?」
一緒に寝てた女が甲高い声をあげた。
見ると、店の客のホステスだった。

「―やだ、起こしてよ!遅刻しちゃう!」

「俺、先に出るから。鍵ボストにでも入れといて」

そう言い、部屋を出た。

あの部屋から早く抜け出したかった。



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