初恋

受験が間近に控え、周りは殺気立っていた。

しかし、バレンタインが近付き、この時ばかりは少し受験先達は浮き足だっていた。


(あ~あ、百瀬からチョコレート、くれないかな…)

義理でもいい、用意してくれてないか。

そう思い、花壇に行こうとした。

「タケ」


クラスの女子石井という子だ。

「石井、何だよ。忙しいんだよ」

彼女はよくタケをからかったりしたが、
以前たまに彼女の家に行き、
遊んだこともあった。
発育が良く、美人で目立ち、男子に人気がある。



< 28 / 61 >

この作品をシェア

pagetop