初恋


「はい、これ」

「え?何?」

「見れば分かるでしょ。チョコじゃん」

「え、何俺に来れんの?」

「そうよ、振られて寂しいでしょうから、しょうがないから上げるわよ」

「うわ、まじで?
でも振られてないし。これからもらいに行くんだ」

「もらいに行くって、やめなよ。あんな地味な子。どこが良いの」


「地味じゃないよ。あんな綺麗な子いないよ」

「呆れた。マジなの?タケ」

「ああ、じゃ、俺急いでるから」

「待って!」
石井が腕をつかんだ。

「忘れさせてあげる」
「へ?」

突然、タケの唇にキスされた。

タケが驚いて固まっていると、音がした。


そして走っていく音。

「―百瀬…?」



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