初恋


付き合って間もない頃は手を握ることも緊張していたが、

今は聖美はすっかり気を許し、堂々と人目を気にせず手や腕を組んでくる。


こんな日は逆に健人はどうして良いかわからなくなる。


「え、マジで?!お前らキスもまだ?!」

同じサッカー部の同級生が言った。

「…うるせー…」

「あんなに仲良いのに…
今時ありなくね?彼女絶対待ってると思うよ」

「え?!マジで?」

「…ああ、だって、あんなにお前にべったりじゃん」


「そ、そうかな?!やっぱり?そうだよな!よし!」


健人は意を決した。
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