初恋


「健人ー。今日部活何時まで?」
次の日、聖美はいつも通り接してくれていた。

「ーああ、今日遅いかも。試合あるし」

「待ってるよ」
「…いや、いいよ。遅いし、先帰ってて」

正直、どう接していいかわからなかった。

「…そう」

(結構落ち込むよなー…「いやっ」て…立ち直れねー)


部活が終わって、着替えて教室に戻ると、まだ聖美が待っていた。

「…聖美?」
彼女は健人の机で眠っていた。

(うわ…他の奴等より先に来て良かった~。あいつらがこの姿見たら何するか…)

彼女は無防備な顔で眠っている。

(やべー襲っちゃいそうだ…)
「おい、聖美!」
健人は聖美を起こした。

「…あ、健人?」

「何やってるんだよ。こんな時間まで!
先に帰れって言ったろ?」

「…でも、一緒に帰りたくて」


< 37 / 61 >

この作品をシェア

pagetop