初恋
夏休みの旅行は湖に決まった。
その前に去年二人で見れなかった夏祭りの花火大会を今年こそ見よう、と二人で話していた。
―当日、相変わらず物凄い人混みで、
聖美を見つけるのは難しいかと思ったが、すぐに分かった。
彼女の姿は健人から見ると一際輝いて写っていた。
(ヤバいすっげー可愛い…)
聖美は健人を見つけると、笑顔で駆け寄ってきた。
「どう?浴衣姿」
「―ああ、うん。いいんじゃない」
健人はドキドキして何故か顔も見れず、俯いてしまった。
「それだけ?も~頑張ったのに」
聖美はそう言い、膨れっ面を見せたが、屋台を見るとはしゃいでいた。