初恋
二人は駅前の喫茶店に入った。
「…健人さん、ですね?姉の彼氏だった」
「…え、聖美?」
「私は双子の妹の玲美です。
姉から良く貴方の話は聞かされていました」
「…妹……それで、聖美はどこに?」
玲美はため息をつき、
「健人さん、まだ姉の別れから立ち直れていないんですね」
哀れんだ眼で健人を見た。
彼女にそっくりだが、良く見たら少し違っていた。
「頼む!彼女に会わせてくれ!
あれから、突然全く会えずにいたんだ!
学校にも来なくなって。どこに行ったか全く分からずに別れの言葉もなく、毎日気が狂いそうだった!」
「……健人さん、理由は知っているはずです」
…―聞きたくない…
―直感でそう思った。
「…何のことだか…」
「姉はあれから、病気で亡くなりました」