ちょっと短いお話集
「いや、それでスノボーに行ってよ」
 すると、先ほどの浩二、さあ、今だと言わんばかりに、やった事も無いスノーボードとやらの話をして、相手の気を引こうといたします。
「へえ、見た目と違うじゃない」
 女のほうも、乗り換えるのは早いほうが良いし、退屈な物だからとつい、浩二の話しに乗ってやる事にしたのでしょうか、うん、うんと素直に話を聞いていたそうです。

「それでよ、今度連れてってやるからよ」
「えー、どうしようかな?」
 そんな事を良いつつもつい女の子は悪い気はしません、ついつい、浩二の話しに引き込まれてしました。

「なあ、いいだろう、この後、な、な、な、この辺も物騒だし、家まで送っていくだけだからよ」
 少し経つとこれはいけると浩二は踏んだのでしょうか、ここぞとばかりに攻め立てました。

「そこまで言うなら、まあ、」
 女の子もそれほど、言うなら悪い気もしません、つい、良いよ何て言ってしまいました。
 さて、そうこうするうちに、合コンも終わって二人仲良く帰ったのでございます。
「なあ、いいだろ、コーヒーぐらい飲んでいってもよ」
 浩二は首尾よく家にまで、女の子を送っていく事に成功しましたが、ここで帰ったら、男がすたるとばかりに、女の子のアパートを見上げて言い出しました。

「何よ、ずうずうしいわね」
「そんな事いってもここまで結構かかったしよ」
「えええ、どうしようかな」
「な、な、いいだろ」
「うーん、うん」

 
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