ちょっと短いお話集
ぼくは、机の引き出しから縄跳びの紐をだした。
これで、あのランドセルをしばって、どこか遠くに捨てにいかなくては。
ぼくは、すぐさまランドセルの側に膝まづいた。
手が震えている。
いま、ランドセルから手が出てきたらおしまいだ、ぼくも吸い込まれてしまう。
だが、今やらなくては、犠牲者が増える一方だ。
勇気と言うよりも、追い詰められた恐怖が僕の体を動かしていた。
ふるえる手で、縄跳びの紐でぐるぐる巻きにする。
よし、これでいいだろう。
少し安心して、身を起こした時。
バチ、バチ、バチ、バチと言うすごい音共に、縄跳びの紐がはじけ飛び、ランドセルの蓋が開いた。
まずい、ヒッと僕ののどの奥で音が鳴った。
それと同時に、ランドセルから青い手が出てきてぼくの頭をつかんだ。
すごい力だ。頭が割れそうだ。
そのまま、ぼくを連れて行こうとする。
だめだ、ランドセルに食われる。
すると、ぼくの頭をつかんでいた手が、いつもかぶっている毛糸の帽子で、ずるりと滑った。
これで、あのランドセルをしばって、どこか遠くに捨てにいかなくては。
ぼくは、すぐさまランドセルの側に膝まづいた。
手が震えている。
いま、ランドセルから手が出てきたらおしまいだ、ぼくも吸い込まれてしまう。
だが、今やらなくては、犠牲者が増える一方だ。
勇気と言うよりも、追い詰められた恐怖が僕の体を動かしていた。
ふるえる手で、縄跳びの紐でぐるぐる巻きにする。
よし、これでいいだろう。
少し安心して、身を起こした時。
バチ、バチ、バチ、バチと言うすごい音共に、縄跳びの紐がはじけ飛び、ランドセルの蓋が開いた。
まずい、ヒッと僕ののどの奥で音が鳴った。
それと同時に、ランドセルから青い手が出てきてぼくの頭をつかんだ。
すごい力だ。頭が割れそうだ。
そのまま、ぼくを連れて行こうとする。
だめだ、ランドセルに食われる。
すると、ぼくの頭をつかんでいた手が、いつもかぶっている毛糸の帽子で、ずるりと滑った。