ちょっと短いお話集
「危ねえ、危ねえ、間一髪だったな、怪我は無かったかい、坊主」
そこには戦士がいた。
こんがりと焼けた肌、ぼさぼさの髪の毛、幾度の戦いを潜り抜けたであろう傷だらけの体、そして野球のバットのような銃らしき物を持っている。
すばらしく立派な戦士だ。
「悪いな、おそくなったな」
戦士はそう言いながらイルカ人間の足をつかみ、ランドセルの方に引きずって行くと、
ランドセルに手をかけた。
するとランドセルの口が大きくなった。
戦士は大きくなった口に、イルカ人間を軽々と投げ込んだ。
ランドセルはいとも簡単にイルカ人間を飲み込んでしまう。
「あ、あなたは誰なんです」
僕は震えながらもたずねた。
「俺、俺は」
その戦士は一瞬考えるような顔をして続けた。
「異界の国の人間だよ」
「異界ですか」
もしかすると、このランドセルの先はどこか違う国につながっていたのだろうか。
「ああ、そうだ、だが、そんな事どうでも良い、それよりも、もう二度とこのランドセルが悪さをしないようにしておくから安心しろ」
そう言って戦士は小さなビンをふところから取り出すと、ランドセルに向かって中の水を振りかけた。
「これでいい、もうここから何か出てくることはないだろう」
そう言いながら、戦士は僕のほうをチラリと見ながらランドセルの中に片足を突っ込む。
そこには戦士がいた。
こんがりと焼けた肌、ぼさぼさの髪の毛、幾度の戦いを潜り抜けたであろう傷だらけの体、そして野球のバットのような銃らしき物を持っている。
すばらしく立派な戦士だ。
「悪いな、おそくなったな」
戦士はそう言いながらイルカ人間の足をつかみ、ランドセルの方に引きずって行くと、
ランドセルに手をかけた。
するとランドセルの口が大きくなった。
戦士は大きくなった口に、イルカ人間を軽々と投げ込んだ。
ランドセルはいとも簡単にイルカ人間を飲み込んでしまう。
「あ、あなたは誰なんです」
僕は震えながらもたずねた。
「俺、俺は」
その戦士は一瞬考えるような顔をして続けた。
「異界の国の人間だよ」
「異界ですか」
もしかすると、このランドセルの先はどこか違う国につながっていたのだろうか。
「ああ、そうだ、だが、そんな事どうでも良い、それよりも、もう二度とこのランドセルが悪さをしないようにしておくから安心しろ」
そう言って戦士は小さなビンをふところから取り出すと、ランドセルに向かって中の水を振りかけた。
「これでいい、もうここから何か出てくることはないだろう」
そう言いながら、戦士は僕のほうをチラリと見ながらランドセルの中に片足を突っ込む。