ちょっと短いお話集
の会話のすぐ後、美代子ちゃんはこの世から居なくなってしまったのだ。
 最後にカーテンのほうを指を刺して。

 わたしは、美代子ちゃんのためにも犯人であるカーテン妖怪を捕まえたいと思った。
 美代子ちゃんが言うには確か、カーテン妖怪は光に弱いらしい。
 わたしは用心のために懐中電灯を片手に、カーテンを引くと、そこにある闇を見つめる。
いない。
 だが、一日くらいでは、何も分るはずは無い。
 わたしは、その日から毎日カーテンをチェックすることにした。
 放課後、朝を問わずに、わたしはカーテンを引くと、その闇を見つめ続ける。
 でも、すでに一週間が過ぎても何もない。

やっぱり、そんな妖怪いないのかな?
 
 私がそう思い始めたとき、ついにあの事件がおきた。

 それは夕方だった。
 毎日、カーテンを引いては閉めるわたしをおかしく思ったのかもしれない。
 松岡先生が、私のところに来たのだ。
 わたしはちょうど、理科室の黒いカーテンを調べている所だった。
「やあ、久美子ちゃん、毎日、放課後に何をやっているんだい」
 松原先生は、男の先生で背は少し低いけれどいつも笑っている、優しい先生だ。
 いつものようにニコニコ笑っている。
 わたしはその笑顔につられるように、つい目的を言ってしまっていた。
「わたしは、その、美代子ちゃんを殺した真犯人を探しています」
「真犯人? 知っているのかい、久美子ちゃん」
「はい、しっています、確実じゃないけれど」
 わたしは、カーテン妖怪と言う名前は伏せておいた。先生に馬鹿にされると思ったからだ。
「そう、見たのかね」
 そう言いながら、なぜか先生が私のほうに近寄ってくると、黒いカーテンを引いて、理科室を暗くした。
「見たわけじゃ、ありません、知っているんです」
 なんだろう先生、少し怖いや。
「美代子ちゃんに聞いたんだね」
 わたしは訳がわからず、松原先生を見上げた。
「はいそうです」

 わたしがそういった瞬間、先生は私の首を絞めた。
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