ちょっと短いお話集
殺っちゃった
 私は恋人を殺してしまった。
 私と趙は秦の国の戦士で、剣をぶつけ合うのが私たちの愛の表現だった。
 剣と剣がぶつかり、火花が散る。

「がははは、良いぞ、その調子だ」
「どうよ、今日の私の剣のさえは」
 しばらく、剣と剣がぶつかり合った時。偶然のようにそれは起きてしまった。
 私の剣が、大切な恋人の心臓を貫いてしまったのだ。

「がっ」
 貫かれて、超が苦鳴をもらした。
「ちょおー、趙、趙、趙」
 私は駆け寄る。
「だい、じょお、ぶ、だ」
「何が大丈夫なのよ!」
「がああ、は、あ、お、俺が死んでも元気でやるんだぞ」
「いや、いやよ、あんたがいなくちゃ生きていけないわ」
「あいしているよ」
 そう言って超は倒れてしまった。
「ちょうぉぉぉぉぉぉぉぉ」
 私は叫び声を挙げて、泣いた。
 すると、「なーんてね」、そう言いながら、私の大切な恋人は起き上がってきた。
「へっ」
「じょーく、死んだふりだったんだよん、やーい、やーい、引っ掛かった」
 そういって、趙は片足をあげて、両手を広げるおかしなポーズを取りながら、へらへら笑っている、
 私はそれを見て思った。
 こいつ、ぶっ殺してやるって。
 あとは、想像にお任せします。
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