ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
緞帳が上がると、私の緊張は昨日以上に高まっていた。
前日以上にテンションを上げ、次々と出番をこなしていく。
ウシオにダメ出しされたシーンも少し意識してみたけど、
いざウシオを前にすると、緊張するのかどうもうまくできなかった。
そうこうしてるうちに時間はあっという間に経って、
物語はラストシーンへと近づいていた。
袖で再度台本に目を通す。
書き直してもらった“トーコ”のセリフを言えば、
私とウシオの関係は全部終わってしまうだろう。
昔みたいに、単なる友達関係に戻るのだ。
悲しかったけど、こうなってしまったのは全部自分のせい、
ウシオに恋するタイミングを間違えた自分の責任だ。
私は涙をこらえて、自分の最後の登場シーンを待った。