ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

場面転換後、


いよいよそのときが来た。




荷物を抱え、田舎に帰ろうとしていた“トーコ”を“アイダ”が駅まで追いかけて来る。




いくつか会話がやりとりされた後、ウシオはついにプロポーズのセリフを発した。




「僕と結婚してください…!お願いします…!」




演技とはいえ、好きな男にそんな言葉をもらえば、やはり胸に込み上げるものがある。




「アイダ先生…」




おのずと自分のセリフも迫真に迫ったものになる。




「トーコさん、僕は本気です…!あなたのこと、絶対幸せにしますから…!」




手紙の中で、ウシオはこのセリフを自分の本心だと言っていた。


それがホントなら、女に生まれてきてこれ以上嬉しいことはない。




…でも、私には彼の気持ちを受け入れることができないのだ。




私は大きく息を吸うと、


ガンさんの友達が書き直してくれたセリフを吐き出した。
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