ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
「私、マユコさんがウシオにキスするところを見て、てっきりあなたもウシオのことが好きなんじゃないかと思ったんですけど…」
「え…」
「違いますか?」
サキさんの目は真剣で、
事実を聞き出そうとしている彼女に、私は硬直してしまった。
「……」
こっちがしばらく黙っていると、
サキさんは手紙と指輪が入った紙袋に視線を移して言った。
「…指輪、ちゃんと届いたんですね」
「え…?」
どうしてこの袋に入ってるのが指輪だって知ってるんだろう…。
ウシオは私に指輪を贈ること、サキさんに話していたのかな…?
「あの、どうしてこれが指輪だって…」
私が袋を指差したずねると、彼女は笑って言った。
「だって、この手紙と指輪用意したの私だから」
え…?
「ま…、指輪は私が彼にもらったお下がりですけど」