ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
…意味がわからない。
私はサキさんに説明を求めた。
「あの、一体どういうことですか…?」
すると彼女は再び真顔で話し続けた。
「今回のお芝居では、主人公がヒロインに花を贈られたことから、彼女にプロポーズを決意するってシーンがありますよね…?」
「あ…、はい…」
「それで私、マユコさんには悪いと思ったんですけど、あのくだりを参考に、あなたに罠をかけさせてもらったんです」
「え…?」
「そしたらマユコさん、簡単にひっかかってくれるじゃないですか」
サキさんはまたくすっと笑った。
「あの…、罠をかけたって、どういうことです…?」
私が再び聞き返すと、
彼女は「ああ」とすまなさそうな顔をした。
「罠なんて言うと、ちょっと言葉が悪いですよね…。言い換えれば、私、あなたの気持ちをちょっと試させてもらったんです」
「え…?」