ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

サキさんは椅子から立ち上がると、持っていたバッグの中を探り始めた。




「ウシオの気持ちが私にないってことは、付き合い始めた頃からなんとなくわかってました…。ウシオは私といてもあなたの話ばかりするから、おかしいなとは思っていたんですけど、彼、私と別れたいだなんてひとことも口にしないし、あなたもあなたで2次会の幹事を引き受けてくれるじゃないですか…。それで私、あなたさえウシオにそういう気持ちを抱いてなければ、このまま予定通り彼と結婚できるんじゃないかって思ってたんです…。でも、彼がこれを持ち歩いてるのを見つけて、あー、やっぱりマユコさんもウシオのことが好きだったんだって思って…」




そう言いながらサキさんが私に見せてくれたのは、


以前サキさんのお父さんにも突きつけられた、


ウシオと旅行に行ったときに撮った、あのツーショット写真だった。
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