ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
きまりが悪くなって目をそらすと、
サキさんはため息をついた。
「黙ってるってことは、やっぱりそうなんですね…」
「……」
サキさんは何も答えない私に呆れたように言った。
「…そんなことだろうと思ったから、私、あなたの彼への気持ちを試させてもらったんです」
サキさんは写真を長机の上に置くと、
今度は手紙と指輪の入った紙袋を手に取った。
「さっきも言いましたけど、今回のお芝居で、主人公はヒロインに花を贈られたことで、自分の心に素直に行動することができたんです…。それで私、マユコさんだってウシオから婚約指輪を贈られたら、きっと本音をもらすんじゃないかと思って、ウシオのふりしてこれをあなたに贈ってみたんです…」
「え…?」
「ウシオから指輪を贈られたと思ったあなたが、彼に対してどう出るかを見たかったんですけど…、あなた、思ったより早く答えを出してくれましたね…」
「え…」
サキさんは核心を突いた。
「さっきのキスがあなたの答えなんですよね…?」
「えっ…」
「マユコさん、ウシオが私と婚約したのを知ってて、彼のこと、まだ好きなんですよね…?」
「……」