ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
あたふたし出したウシオに、
「何でって…、そんなの決まってるでしょ…?」
サキさんは長机の上にあった写真と紙袋を再びつかむと、それらをウシオの手に握らせた。
「これを返しに来たの」
「え…?」
眉間に皺を寄せたウシオに「末永くお幸せに」と言うと、サキさんは静かに部屋を出て行った。
「サキ…?」
ウシオはサキさんが出て行ったドアと渡された写真と紙袋を交互に見比べていた。
私は彼に何の説明もせず、
「集合写真撮るんだっけ…?じゃあステージに行けばいいね…」
それだけ言って、小走りで楽屋を出た。