ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜

…ウシオに黙って、台本と違う芝居を打った私。




ふたりでいるのが気まずくて、思わず楽屋を飛び出したけど、


ウシオが後からついてくるのがわかると、


私は彼に追いつかれないよう、全速力でステージまで走った。






その後。


記念撮影をしたときも、ステージのばらしに入ったときも、いつもの居酒屋に打ち上げに行ったときも、


私とウシオはひとことも言葉を交わさなかった。




打ち上げの席で、ガンさんの友達が




「マユコさんの気持ちは、きっとウシオくんに届いたと思うよ」




なんて言ってくれたけど、


ウシオは私と離れた席に座っていて、今日はダメ出しも、労いの言葉すらかけてくれなかった。 




やっぱり私達は終わったんだと思うと、いてもたってもいられなくて、


私は途中で会を抜け出し、こっそり帰宅することにした。
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