ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
そんなある土曜日のこと。
お昼近くまで寝ていた私は、突然かかってきた電話で起こされた。
うるさく鳴り続ける呼び出し音にあわてて受話器を取ると、
〈あ…、ホンモウ先生ですか…?ミソノです〉
それはサキさんのお父さんからだった。
〈休みの日に申し訳ないが、今少し話しても構わないかね…?〉
「あっ、はい…」
そういえば、サキさんのお父さんにはまだウシオから手を引いたことを話していなかった。
ついでに転勤話も頼まなきゃと思っていたら、
サキさんのお父さんは意外なことを言い出した。
〈実は、娘の結婚話が急遽破談になってね…〉
え…?
〈それで今、招待客に結婚式は中止になったと連絡してるんだが、君には娘が2次会の幹事を頼んでいたようだから、それも全てキャンセルってことで片付けてもらえないかと思ってね…〉
うそ…。