ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜
もしかするとウシオはまだ私のことを想ってくれているのだろうかという、
期待と不安に似た感情が頭をよぎった。
でも、定期公演会の日のことを思うと、そんなのあり得ないという気がしなくもない…。
ウシオはあれでプライドが高かったりするから、
今更私のところに戻ってくるなんて、天地がひっくり返ってもあり得ないかも…。
頭の中でいろいろ考えていると、
〈もし君の方にもまだその気があるなら、彼に連絡してみたらどうだい…?今やライバルは消えたんだ…。こんな好機を逃してどうする…?〉
サキさんのお父さんはそんなことを言って電話を切った。