ターニングポイント
プロローグ
「……でね、私はそんなのやめときなよって言ったんだけど、
なんか気に入っちゃったみたいでね……
…ねえ、涼介、聞いてる?」
「もちろん」
頬杖をついてボーっとしていた俺は、彼女の目を見てニッコリ微笑んでみせた。
彼女はほっとしたように、アイスティーのストローを口にくわえた。
ぽっちゃりしたピンク色の唇
肩にかかる明るい茶髪
長いくるんとしたまつげ
5月の末にコクられて、付き合い始めて約2ヶ月。
毎日メールして、週1でデートして、もうキスは何度かした。
別に彼女に不満はないんだけど、
女の子の話ってなんか毎日の報告ばかりで退屈だから、
長くなってくるとついボーっとしてしまう。