ターニングポイント
山小屋の人によれば、ここ数年は陶子さんが言っていたような、1枚の布団に頭と足を互い違いにして寝るなんてことはしていないらしい。


昔はそういうこともあったようだけれど、ここ数年でだいぶ改善されてきたのだそうだ。


俺と陶子さんは2段ベッドだったが、布団で寝る人たちも、ちゃんと一人一枚布団を確保していた。


とはいえ、御来光を頂上で見ようとするグループは真夜中に起きて出て行くので、その物音などで、ちっとも熟睡はできなかった。


結局、うつらうつらしたと思ったら、もう起床時間、という感じ。


明らかに睡眠不足だけど、とっとと登って早く下山したい気持ちもあり、嫌々ながらも体を起こした。


身支度を済ませ、山小屋の前で陶子さんと並んで日が昇るのを待った。



< 100 / 200 >

この作品をシェア

pagetop