ターニングポイント
昨日と同じように、今朝も一面の雲海。


薄暗かったあたりがだんだんと明るくなってきて、雲の下に太陽が昇ってきているのがわかった。


もうすぐだ。


俺たちと同じようにそこで御来光を見ようとする人たちも結構いて、あちこちからささやき声が聞こえてきた。


その時。


雲の上に一条の光が差した。


一本の線だった光が、徐々に丸みを帯びてゆく。


赤々と燃えるような光を放ちながら、やがて半円となる太陽。


厚い雲の上にゆっくりとその姿を昇らせてくる。


ゆっくりと、しかし確実に。


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