ターニングポイント
やがて太陽が雲の上にその全容を現した。


あっという間だった。


俺は必死で涙をこらえていた。


胸にせまるさまざまな思いがあふれ出しそうだったけれど、さすがに陶子さんを意識した。


それまで黙っていた陶子さんが、昇りきった太陽を見つめたまま言った。


「さあ行きましょう、頂上へ」


一つ頷いて、俺は陶子さんの後に続いた。




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