ターニングポイント
8合目からの登山は、それまでとは比べものにならなかった。


きつい。


酸素が薄い。


黙々と登っていく陶子さんの手前、平気なふりでついて行くけれど、どうしても遅れがちだった。


陶子さんはしばしば、遅れる俺に合わせて休憩を取ってくれた。


10分歩いて5分休憩、そんなペースだったかもしれない。


8合目を出発したはずのに、また8合目の別の山小屋を通り過ぎ、やっと次は9合目かとぬか喜びしていたら、本8合目なるものが待っていた。


しかも、またこの本8合目の小屋が1つじゃない。


頼むよ。


もう合目なんて、あいまいな表現はやめて欲しい。


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