ターニングポイント
そこからは、何も考えずにただ陶子さんの後姿だけを追って、機械的に足を運ぶようにした。


寝不足もあり、頭もボーっとしてきていた。


下手な意地とプライドでギブアップできないのなら、俺に残された道はただ進むだけだ。


進んでは休み進んでは休みののろのろ行進でも、確実に頂上には近づいているはず。


やがて1時間もすると、鳥居についた。


「ここが9合目よ」


陶子さんの言葉に首を持ち上げた。


やっとここまできた。


あと1合。


しかし返事をできる状態ではなく、かろうじて頷くと、再び進み始める陶子さんのあとをまた黙ってついていった。



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