ターニングポイント
その間に、今度はジャケットを手渡された。


「これ、羽織ってみて」


言われるままに何枚かのジャケットをとっかえひっかえ羽織り、そのたびに陶子さんにじっと見られ、なんだか居心地が悪かった。


何枚目かに、陶子さんの表情がほころび「うん、これがいい」と言ったときは正直ほっとした。


しかし、パンツのすそあげを待つ間に、今度はアクセサリーや靴を試着させられた。


さらに、伊達眼鏡もかけた方がいいと言われ、それもいくつか試した。


俺は陶子さんに言われるままに着せ替え人形と化した。



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