ターニングポイント
「さあ、行きましょ」


陶子さんは再び腕をからめてきて、俺を引っ張って歩き始めた。


陶子さんに連れられて行ったのは、老舗のホテルの中にある天ぷら屋だった。


席に着き、落ち着いたところで、俺は服の礼を言った。


「たくさん買ってくれて、ありがとう。
陶子さんってさ、こういう服着る男が好きなの?」


ここまで歩いてくる間、俺はずっと服のことを考えていた。


陶子さんは、洋服のセンスはあると思う。


でも、この服はどう考えても16歳の俺が着るような服じゃない。


ということは、きっと陶子さんの好みの男が、こういう服が似合う男なんだろう。


そう、俺は想像した。



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