ターニングポイント
陶子さんは母ととても仲がよかった。


告別式の時、陶子さんのお母さんである伯母さんが言っていた言葉を思い出した。

「実の姉のように慕っていた瑞江さんと直にお別れできなくて、本当に無念だし申し訳ないって電話で泣いてたわ」



母は、陶子さんにとっては父親の一番下の妹で、叔母にあたる。


だが、母と伯父さんはかなり年が離れていて、伯父さんが実家の家業を継いでお嫁さんをもらい、陶子さんが産まれた時、母はまだ小学6年生だったそうだ。


それから母が結婚して家を出るまで、同じ屋根の下で姉妹のように暮らしていたというから、陶子さんが母を叔母というよりも、姉のように感じていたというのも頷ける話だ。




< 13 / 200 >

この作品をシェア

pagetop