ターニングポイント
薄暗い照明の店内のところどころに置かれているキャンドルの光が、陶子さんの横顔を美しく浮かび上がらせている。


陶子さんの唇がグラスの縁に触れ、透明な液体を少し口に含む。


喉がかすかに動いて液体を飲み込んだのがわかった。


そして、グラスの中からピンに刺さったオリーブをつまみ出し、赤い唇でひと口かじる。


やばい。


色っぽすぎ。


俺は慌てて目をそらせた。


黙っていると変な考えにとらわれそうだったので、喋りまくることにした。



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